第3回「藤堂藩の無足人と伊賀者-伊賀国を中心に-」(前期)

「藤堂藩の無足人と伊賀者-伊賀国を中心に-」要旨

藤谷 彰




江戸時代に津藩(久居藩を含む)の領国の村落に居住していた郷士、すなわち下級藩士である伊賀者、上級農民であった無足人の話です。津藩では、江戸時代初期から明治初期まで在村する有力な土豪層を伊賀者や無足人に取立、軍役や民政の一端を担わせました。

伊賀者は元々「忍び衆」と呼ばれ、大坂の陣など戦地では間諜(スパイ)活動を行い、平和な時代のおとずれとともに、門番勤務を行うなどその役割が変化してきました。普段は村に居住していましたが、藩から30~40俵ほどの俸禄を受けるなど、下級藩士として武家身分に所属していました。

一方、村に住む郷士である無足人は、有事の際に軍役を務め、普段は村に居住し農業を家業とし、年貢を納め、五人組にも所属していました。「無足人帳」により藩から統制される存在で、武士と百姓の両方の性格を有するものの上層農民として百姓身分に位置づけられました。近年では、村々を取りまとめる大庄屋としての活躍する無足人の姿が注目されています。具体的には、村々の取締、裁判をしたり、また、領主の御救いの実務を取り仕切るなど、村役人として藩民政に関与する存在でした。

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