台湾への留学

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 日本から最も近い外国の一つであり、海外旅行先としても人気の高い台湾へ、私は1年間の長期留学をしました。私は刑法ゼミに所属し法律を学んでいたため、周囲からは「専門的に語学を学習しているわけではないのになぜ留学したのか」としばしば尋ねられますが、私が留学を決意した最大の理由は、「今しかできない」と考えたからです。

 私の留学先は台湾第二の都市、高雄にある國立高雄師範大學(高師大)です。高雄は熱帯地方に属し、1年のうち8〜9ヶ月が夏という気候です。首都台北とは違い、日本人観光客は少なく日本語の通じる場所は非常に少ないですが、高雄の人々は世話焼きでお節介なことが多いので、現地に溶け込み語学や文化を学ぶにはよい環境だと思います。また市民の移動手段は主にオートバイですが、地下鉄やバス路線も発達しており、市内の主な場所へは公共交通機関で行くことができます。

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 高師大は街の中心に近く、周囲には飲食店街が広がる利便性の高い立地の大学でした。学生寮は高師大の敷地内にあり、台湾人学生あるいは他の留学生と生活することになります。私は入寮当初は韓国人学生・香港人学生と同室となり、途中で部屋替えがあり台湾人学生と同室となりました。授業は午前中が中国語、午後は大学の専門的な授業というスケジュールでした。大学に併設された語学教育センターで中国語を学ぶことができ、1クラス10人弱を基本とし、初学者から上級者まで幅広く対応しています。語学教育センターでは、台湾文化を学ぶイベントが頻繁に開催され、語学だけでなく文化や習慣も学ぶことができました。

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 現在、「日本統治時代台湾における法制度」について卒業論文を執筆しています。私の祖父は日本統治時代台湾の出身で、台湾の人は大変親切であったと生前よく話していたそうです。また、日本統治時代を知る台湾の年配の方々からは「あの頃は良かった」と耳にすることも多く、大変うれしく思うと同時に、本当に良いことばかりであったのかと疑問にも感じています。実際に調べてみると、日清戦争後の日本への台湾割譲から台湾での統治を確立していく過程で、日本へ抵抗する勢力へは苛烈な弾圧したことがわかります。台湾では日本や日本人に対して好印象な方々が大変多いですが、そうした「親日」に甘えるのではなく、きちんと過去を見つめ直すことでさらによい関係が構築できると考えています。

 さて、台湾は日本と似ているようで全然違う国です。観光で滞在することと、長期にわたって居住することは全く異なります。留学では文化や考え方の違いで悩み、これまでの価値観が揺らぐこともあるかもしれませんが、こうした経験が人を強くすると思います。1年間もの長期にわたって海外で勉強できる機会はなかなかありません。学生のうちにやっておきたいことの一つに、ぜひ留学を加えてみてはいかがでしょうか。

2016年10月(2012年度入学 M.T)