アメリカ研究

教員紹介 文化学科 アメリカ研究

井上 稔浩(いのうえ・としひろ)アメリカ文学

アメリカ文学を専門としております。とりわけ世紀転換期にアメリカの都市化とともに発生したアメリカ自然主義文学に興味を持っています。このジャンルに含まれる作品には、アメリカが歴史上初めて経験した産業都市や資本経済に対してそれぞれの作家たちが示した、極めて特殊な反応を見ることができます。これらの作家たちによる個々の作品の分析を通じて、社会構造の転換が人間自体にどのような変化をもたらすかを明らかにしようとしております。こうした作業によって、現在の我々が気付かない様々な問題も浮かび上がってくるのではないかと考えております。

薄井 尚樹(うすい・なおき)哲学

現代の英米哲学をベースに、主に次のふたつの問題に取り組んでいます。
(1)他者理解の問題:私たちは本当に相手を理解しているのだろうか。そもそも相手を「本当に」理解するとはどういうことだろうか。
(2)心の生得性の問題:心(のある部分)が生まれつき備わっている、つまり生得的であるとはどういうことだろうか。心に生得的なところやそうでないところがあるとして、そのことは私たちのありかたにどんな意味をもたらすのだろうか。
一見バラバラの問題に思われるかもしれませんが、いずれも突きつめれば、「心を持った他者」という、身近な、でもときにとても不条理な存在を対象とするものです。哲学という学問を通じて、この「どこまでもつきあっていかざるをえないヤッカイな存在」に迫っていきたいと考えています。

江成 幸(えなり・みゆき)アメリカ社会

さまざまな民族的・文化的背景の人々が暮らす現代社会について、とくに、国境を越える移民の定住プロセスに関心があります。アメリカ合衆国におけるメキシコ系移民のシティズンシップ(市民権)や、日本の地域社会における多文化共生をテーマに研究しています。

小田 敦子(おだ・あつこ)アメリカ文学

人が生きて行くなかでいだく、時には意識さえされない、さまざまな思いや感情を表現するのが文学です。文学作品を読む体験は、自分の生きている時 間と空間をぐんと広げます。アメリカは現代社会のフロンティアのような国です。『白鯨』や『ハックルベリー・フィンの冒険』のような19世紀の小説にも、 現代に通じる人間の自由や孤独の感覚が表現されています。英語の壁にぶつかりながら、疑問を通して他者と自己とを理解しよとするアメリカ文学研究の方法を 身につければ、結構な基礎体力になると思います。

澤田 治(さわだ・おさむ)理論言語学

専門は意味論・語用論です(大まかに言うと、意味論はコンテクストに依存しない意味を、語用論はコンテクストに依存した意味を扱う分野です)。意 味研究のスコープはとても広いですが、とりわけ、(a)語用論的な意味はどのような原理によって生じるのか、(b)言語の構造的側面と意味的側面の間には どのような相互関係があるのか、(c)話し手の個人的な感情・価値観といった主観的な要素が関わる表現の意味はどのように分析できるのか、(d)言語の普 遍性と個別性を「意味」の観点から考えるとどのようなことが言えるのか、といった問題に興味があります。現在は、「比較構文」、「程度構文」、「測量構 文」、「フォーカス詞」、「感情表出表現」、「不明確表現」などをはじめとするスケール性(尺度性)が関与している言語現象に焦点を当てて、意味研究に取 り組んでいます。

立川 陽仁(たちかわ・あきひと)文化人類学

カナダの北西海岸(太平洋沿岸)に住む先住民族、とくにクワクワカワクゥ(Kwakwaka'wakw、かつてのクワキウトル)という民族集団の 生活を研究しています。このクワクワカワクゥがカナダにおいて現在の政治経済的、かつ文化的地位を築くために、サケ資源が果たしてきた歴史的な意義とその 将来的な変化を探求することに関心があります。

中川 正(なかがわ・ただし)文化地理学

文化地理学は、地表面上の人間の活動すべてを対象としますので、日常生活と学問との間の垣根が低い学問だといえるでしょう。学生の卒業論文作成では、アメリカを対象とした研究を指導していますが、「文化環境論」や教養教育における授業では、日常の中から観察力を養い、何気ない疑問を学問的方法と結びつける方法を教え、グループで問題解決を進める実践をしています。どの職業についても、新しい課題を見つけて、思考を深め、解決していく力を、在学中に身につけていただきたいと願っています。

野田 明(のだ・あきら)アメリカ文学

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専門は19世紀の小説ですが、授業ではもう少し幅広く、アメリカ文学のさまざまな作品を読んでいます。「文学」は、英会話のようないわゆる「実用 英語」とは違って、即、試験や海外旅行で使えて便利!というものではありません。でも、原典(教科書の英語より難しくて、難しい分面白い)をじっくり読む という作業を通して、英日双方の言葉に対する感性を磨くことは、長い目で見ればきっと実社会でも役に立ちます。外国語で書かれたフィクションの世界に浸る なんて、学生時代にしかできない贅沢だとも言えますが、その贅沢が、卒業してからの厳しい(?)人生を生きていく上で忘れられない貴重な時間となることを 願っています。

森脇 由美子(もりわき・ゆみこ)アメリカ史

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19世紀のアメリカの歴史を研究しています。いまは19世紀半ばの都市における社会関係や文化に関心を持っています。この時期に生じた移民の大量 流入や工業化などの変化の波は、アメリカの都市の社会を大きく変貌させました。この波をまともに被った都市に暮らす人々、なかでも移民する側ではなくもと からアメリカにいた人々に焦点を当て、彼らがいかなる意識を形成していったのかを捉えたいと考えています。さらに、アメリカ生まれの人々のアイデンティ ティやナショナリズムなどを、階級的な側面も視野に入れつつ分析することを目指しています。

吉田 悦子(よしだ・えつこ)英語学・言語学

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コミュニケーションが成り立つとか、成り立たないとかよくいいますが、なぜそうなるのか考えたことがありますか? 私たちは、同じことばが通じれ ば、自分の伝えたいことはとりあえず何でも理解してもらえるだろうと当然のように思っているところがあります。しかし、実際は、広い意味での「コミュニ ケーション」の成立には、ことばそのものよりはむしろ、その伝え方や発話状況が重要な役割を演じていることが多いのです。伝えようとする相手や場所によっ て表現も変化します。普段私たちがなにげなく交わしている対話を中心に、ことばのもつ意味や働きに注目して、コミュニケーションのしくみについて研究して います。