ヨーロッパ・地中海研究

教員紹介 文化学科 ヨーロッパ・地中海研究

赤岩 隆(あかいわ・たかし)イギリス文学

写真

小説研究。イギリス文学及びアフリカ文学。過去の名作がどのように作られたか、作品の背景を辿りながらその謎を解明します。同時に、これから書かれるべき小説の姿について模索し思いを馳せます。





相澤 康隆(あいざわ・やすたか)哲学・倫理学

生命倫理学とギリシャ哲学を研究しています。どのように生きるべきか、これが私の主たる関心です。古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、「いちばん大切にしなければならないのは、ただ生きることではなく、善く生きることだ」と言いました。なるほど、人生の質こそが重要だということですね。彼はさらに、 「善く生きること」は「幸福であること」に他ならないと考えていたようです。しかし、「善く生きる」とはどのように生きることなのでしょうか。また、「幸 福」ってそもそも何でしょう。ググってみても、納得の行く答えは出てきそうにありません。かといって、ひとりで考え抜くのもなかなかたいへんです。大学で 一緒に考えてみませんか。

綾野 誠紀(あやの・せいき)言語科学講義

写真

人間には普遍的な言語獲得能力が備わっているかもしれない、という仮説を検証するために多くの言語学者が日夜研究に励んでいます。その研究の面白さ を、講義や演習を通して学生に伝えることが、この人文学部での自分の役割だと思っています。言語学の勉強を通し、人間のことばの本質的な部分を知ること は、英語等の語学教師を目指す方にとって、欠かせない部分です。ただ、将来、言語教育や言語学に関連する職につかなくても、言語学の勉強を積み重ねること によって議論の組み立て方を学べば、様々な場面において応用できると思います。

井口 靖(いのくち・やすし)ドイツ語学

写真

授業は「ドイツの言語」「ドイツ語学演習」や言語学関係の科目を担当しています。人間はどのように世界をとらえ、それをどのように伝達しているのか という点をドイツ語を材料にして考えます。教材として最近のドイツ語の映画や漫画も使っています。研究としては、特に話している人がどんな立場や判断、心 理状態を言語上に表現しているのかということを調べていますので、そのことも授業に取り入れています。難しいことをわかりやすく説明することは得意だと 思っているのですが、案外それが伝わっていないようです。コミュニケーションはやはり難しいと痛感しています。

大河内 朋子(おおこうち・ともこ)ドイツ文学

専門教育の「ドイツの文学」・「文学概論」・「ドイツ文学論」と共通教育の「ドイツ語」を担当しています。専門分野は19世紀末以降のドイツ文学です。20世紀前半にはさまざまな芸術分野でそれまでの伝統を断ち切るような試みがなされました。その一つが芸術様式の抽象化で、文学においては意味の消滅として現れています。他の特徴としては芸術ジャンルの混交ないし統合を挙げることができ、例えば文学作品に写真が挿入されるようになりました。現代にまで至るそうした展開を、間戦期のドイツ文学を中心に研究しています。

北川 眞也(きたがわ・しんや)人文地理学(ヨーロッパ・地中海地誌、イタリア地誌)

ヨー ロッパという場所に対しては非常にポジティブなイメージが持たれているかもしれません。それは、このグローバルな近代世界が、ヨーロッパを中心にして形成されてきたからになりません。その過程でヨーロッパは、非ヨーロッパ世界との数々の「出会い」を経験してきました。それは非常に暴力的なものでもあったわけですが、一体どのような出会いだったのでしょうか。また現在では、どのような出会いがありうるのでしょうか。ヨーロッパの外に生きる人たちにも決して無縁ではないこうした問いを、授業ではみなさんと考えていきます。研究では、ヨーロッパの境界地帯でもある地中海地域における人の移動、主にイタリアにおける移民・難民研究を通して、同様の問いを検討しています。

菅 利恵(すが・りえ)ドイツ文学

写真 近代化の中で、恋愛や家族、教育といったわたしたちにとって身近な事柄の意味や機能がどのように変化したのか。それとともに個々人のアイデンティティ形成 のあり方がどう変化し、どのような問題が生じることになったのか。これを、ドイツ語圏18世紀、19世紀に書かれた家庭劇やさまざまな劇作品を通して探っ ています。過去の劇作品には、わたしたちの「いま」に続く近代化の流れを読み解くための手がかりが豊富に詰まっています。劇作品を通して近代市民社会の形 成過程を問い直しながら、個々の作品の面白さや現代的な意義を再発見していきたいと思います。

田中 綾乃(たなか・あやの)西洋哲学・倫理学・美学

西洋哲学(倫理学、美学)を担当しています。哲学は、すべての学問の基礎であると言われていますが、とくに私の専門であるカント哲学は、ヨーロッパ の<近代>という時代の基本的な枠組みを形成しました。カントをはじめ先人たちの思想を学ぶことで、世界の真偽を見極めるまなざしやものの見方が養われる と同時に、世界が彩りある美しいものとしてあらわれてきます。これまで常識だと思っていたことが、違う視点で見えてくるのは、新鮮かつ豊かな経験です。ま た、哲学的なものの見方を獲得すると、古典だけでなく、現代が直面するさまざまな諸問題に関しても、多角的な視点から考えられるようになります。西洋思想 に根ざしたキリスト教や西欧の芸術文化を手がかりにしながら、「人間とは何か?」という哲学の根本的な問いを一緒に考えてみませんか。

Thierry Guthmann(ティエリー・グットマン)比較文化・フランス語

写真

表面的な相違点に囚われず、各民族・国が見せる文化的な様相の裏に存在する共通の構造・パターンを求めることが私の比較文化の方法です。例えば、宗教の分野であれば、一見全く異なるカトリック教と神道の間に実は構造的な類似点が隠れています。具体的には聖人崇拝の点でカトリック教は神道と同様の多神教的な構造を持っています。しかし、日本人論等の影響を受けてきた戦後の多くの日本人は自らの文化が極めて独特だと思いがちです。その歪んだ自己認識を類似点に焦点を当てた比較文化の方法を通じて正すことが私の授業の主要な目的といえます。なおフランス語の教育に関しては、映画の短い場面の聴解練習等を通じて実用的なフランス語の教育に力を入れています。

野村 耕一(のむら・こういち)ヨーロッパ近現代史

私たちは過去・現在・未来という三つの種類から成る時間の中で生きています。現在は刻々と過去となり、未来は続々と私たちの前に姿を現してきます。 未来を予測することはとても困難です。変化が激しく、その方向も定かではない今の時代に生きる我々の不安の大きな原因はそこにあります。その際私たちが頼 るべきは過去の経験以外にありません。歴史学とは、未来へ踏み出していくために過去を知る学問であると思います。皆さんと共に三重大学人文学部で歴史を学 び、歴史から学びましょう。お待ちしています。

服部 範子(はっとり・のりこ)英語学・音声学

英語の音声のさまざまな面について、日本語の音声と比較しながら研究を進めています。コミュニケーションの手段として音声言語を用いるとき、そもそも言語音はどうやって発せられるのか、授業ではソフトウエアを用いた音声の可視化(見える化)を取り入れて言語音の産出と知覚について学んでいます。またリズム類型論という視点から、ことばと音楽の関係についても考察を進めています。

村上 直樹(むらかみ・なおき)ヨーロッパ・地中海の社会、同民族と文化

私の担当講義は、「ヨーロッパ・地中海の民族と文化」と「ヨーロッパ・地中海の社会」です。「民族と文化」では、人類学的観点からヨーロッパ・地中 海地域における祝祭、民話、魔女裁判、奇蹟、夢解釈、聖母出現、民俗宗教などをテーマとして取り上げます。「社会」では、社会学的観点から同地域における 家族のあり方、階層構造、地域民族問題、移民労働者問題などをテーマとして取り上げます。どのテーマも興味深く、学べば学ぶほどヨーロッパに関する理解が 深まると思います。また、日本の社会や文化を考え直すきっかけにもなるでしょう。

山本 覚(やまもと・さとる)フランス文学

事実でないことは全部嘘でしょうか。現実には存在しないことを美しい言葉で綴った文学は狂言綺語でしょうか。人間の真実は必ずしも事実と同一ではな い、モノとコトの現実よりもっと真である世界がある、とお思いでしたら、あなたは文学と無縁ではありません。ある批評家の書いたものを読んで、あ、僕が言 いたいことと同じ事を言っている、と思ったことがあるならば、また、ある作家の作品を読んで、何だ、私のことが書いてある、と感じたことがあるならば、あ なたの研究はそこから始まるかもしれません。そしてその批評家や作家がフランス語でものを書く人だったならば、あなたのお手伝いをさせていただくことがで きます。

吉野 由起(よしの・ゆき)イギリス文学・文化史

最近のプロジェクトではWalter Scottはじめ19世紀スコットランドの作家・詩人による妖精譚―「妖精」を巡る物語、詩、劇、小説、論文など様々な種類の書き物―に見られる妖精像の造型技法、用法、物語論的機能とそこに顕れる各芸術家の独創性を検証してきました。早くも14 世紀Canterbury Tales で「昔は溢れんばかりに存在していたが、もはや見ることができない」とされその不在性が強調されたにも関わらず、イギリスでは依然として妖精を巡る物語が紡がれ、読まれ続けています。なぜ妖精が描かれ続けるのか、妖精表象にはいかなる時代背景・文化事情・作家個々の問題意識が織り込まれるのか、「妖精」をプリズムにイギリス文学・文化史を読み解くことを目指してきました。今後の研究ではロマン主義時代のイギリス文学作品の原典を精緻に読むことから再出発し、より広い視野からの研究を目標としたいと思っています。

菅原 彩加(すがわら・あやか)生成文法(意味論、語用論、統語論)、第一言語獲得、文処理

みなさんも、親戚や近所の小さい子が3歳や4歳で驚くほどのボキャブラリーの多さ・文章の複雑さを伴って話すのを聞いて驚いた経験があるのではないでしょうか。第一言語獲得という言語学の分野は、ヒトは特別な教育や練習を経なくても短い期間でほぼ完ぺきなまでに母語を獲得できるのはなぜなのだろうか、という問いを発端とし発展してきました。どの程度/どの領域が生得的な要素によるもので、それら生得的な要素はどのような軌跡をたどって成長していくのでしょうか?そして一方でどの程度/どの領域が経験によるもので、どういった戦略を使ってそれらの経験から学習していくのでしょうか?・・・私たちは、こういった疑問に日々取り組んでいます。私の研究では特に、子どもが大人とは違う理解の仕方をすることが知られている現象を扱い、なぜそのような思考システムの違いが生じるのかについて、子どもや大人を対象に実験を行いながら考えています。

大喜 祐太(だいぎ・ゆうた)ドイツ語学・語用論

外国語を学び進めていくと,一見すると論理的には正しそうでも,実際にはあまり使用されていない表現に出くわすことがあります。よく考えてみれば,みなさんもともだちとの会話の中では,教科書や新聞と同じことば遣いをしていないはずです。時には文法のルールから逸脱した表現を使うこともあるかもしれません。日本語と同じようにドイツ語でも,話す相手や場面によって,地域によって,また個人によっても,ことばの使い方は異なっています。古い語彙が残っていたり,新しい文法が出現したりすることもあります。そのため,言語を理論的に研究する際にも,まず実際に使われていることばを観察することから始めなければなりません。わたしの役目は,みなさんが実際のドイツ語に触れることによって,その言語の全体像に踏み込んでいくのを手助けすることです。