第3回「戦国~江戸期における特殊な弓矢」(後期)

戦国~江戸期における特殊な弓矢」要旨

松尾牧則

原初的な弓は丸木弓(単一弓)であったが、やがて複数材料を用いた弓(複合弓)へと進化していった。丸木弓は鎌倉時代まで使用され、平安時代中期頃から丸木弓の外側に竹を貼り合わせた伏竹弓が登場した。三枚打弓、四方竹弓、竹籤を内蔵した弓へと発展し、江戸時代に入る前に7尺3寸が弓の長さの標準となった。弓の形状や構造は江戸初期には完成の域に達している。また、木・竹のほか、鯨の髭や動物の角などを活用した特殊な弓も生じた

携帯や護身にも都合の良い弓は短弓であり、それらを半弓と称している。半弓(短弓)は、室内用・護身用・携帯用・遊技用などに用いられた。忍びの者は、長弓のほか半弓(短弓)も活用したことが推測される。

半弓には、鯨の髭や水牛の角、鼈甲などを活用して製作された鯨半弓、籠弓・籠半弓・李満弓などがある。また、蝶番を取り付けた折りたたみ式の弓もあり、コンパクトに収納でき、室内での使用や携帯するには特に都合が良い。

特殊な矢としては、糸矢、矢文、火矢、管矢などがある。忍びの者は火器の製法や使用にも長けており、火矢を活用したことが明らかとなっている。鏑・蟇目・鏃等に火を仕掛けて射る火矢は放火・合図・照明・威嚇などに用いた。鏃の近くに火薬筒を装着し、導火線をつけたものなど、目的により多様なものがあった。

その他の特殊な矢も忍びに利用された可能性が高いと推測されるが、忍びの武器として一般的であったかどうかは明確ではない。

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