人文学部
人文社会科学研究科

研究

第3回「手品と法術」(後期)

手品と法術」要旨

河合 勝

子どもの頃見た忍術映画の強烈な印象によって不思議さへの執着心はますます強くなり、後に忍術の代わりともいえる手品に興味を持つようになった。

手品の古い呼び方の一つに放下がある。放下師は、辻で「縄切り」「呑刀」「金輪」「皿回し」などの手品や曲芸を見せて、生計を立てていた芸能者である。忍術書『正忍記』に「七方出の事」として、忍者の変装の一つに放下師を挙げている。これが忍者と手品を結びつける唯一の記述である。しかし、具体的な内容までは分からない。そこで、手品の中でも特異な存在である法術に注目した。法術は、科学的な原理を応用した技であるが、超自然的で、超人的で、危険な技でもある。まさに、忍者の修行の術として格好の素材である。事実、甲賀流忍術十四世・藤田西湖は、公開の場でいくつかの法術を実演して見せた。そして集大成ともいうべき手引書『法術行リ方絵解』を著した。

本講座では、スライドを見ながら、手品と法術との関係、放下師の技、法術の種類と内容、そして伊賀出身の忍者・飛加藤の「呑牛術」などを説明するとともに関連する技を披露した。また、会場内に法術に関する19点の資料を展示した。

2018年度後期第3回忍者・忍術学講座 (13).JPG

動画(部分)

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