人文学部
人文社会科学研究科

研究

第3回「徳川幕府伊賀者松下菊蔵の生涯」

徳川幕府伊賀者松下菊蔵の生涯」要旨

高尾善希

この講義では、『忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち』(角川書店)の内容に基づき、伊賀者として幕府に勤めはじめた松下菊蔵が、その後、どのように昇進していったのかを明らかにした。その昇進の要因としては、伊賀者の家として、「奥」「大奥」の人脈ルートをもっていたこと、菊蔵の帳付けの才や人格、頑健な体質(無欠勤)などが大きく影響したのではないか、と結論づけた。いままでの幕府の政治史研究は、江戸城の「奥」「大奥」の研究が手薄であった。それは、将軍側近の領域であるため、史料に恵まれないためであった。伊賀者は将軍家の警護を任とする人びとであるため、彼らの家の史料を検討することによって、その領域の詳細が判明するのである。テレビや小説でよく語られる江戸城の「奥」「大奥」であるが、忍者研究も、その分野の研究に寄与できる。総合テーマ「忍者 さらなる深みへ」の「深み」の部分を、忍者研究の広がりとして示してみた。

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