人文学部
人文社会科学研究科

教育

就職活動を始めるにあたって

 1983年に創設された人文学部は、これまでに1万人近い卒業生を社会へ送り出してきました。また、1992年創設の大学院人文社会科学研究科の修了生は400人を越えています。多くの卒業生・修了生が、三重県や東海地方を中心に、様々な企業や官公庁などで活躍しています。

 この何年かは景気が安定し就職状況は好調でしたが、以前には就職氷河期という時代もありましたので、安閑としてはいられません。また、この春に突然訪れた新型ウイルスによる世界的な緊急事態とそれによる経済活動の低下は、就職活動にも甚大な影響を与え、社会問題にもなっています。

 しかし、求人や採用がなくなるわけではありません。また就職試験は付け焼き刃の準備で切り抜けられるような簡単なものではなく、その人が持つ能力や人格などの総体が問われます。

 では社会に期待される学生とはどのようなものでしょうか。与えられた課題を真面目にこなすことを心がけるだけでは十分ではありません。自ら課題を提示できることが重要で、様々な事柄を疑って問題を発見する積極性が大切です。そのためには基本的な考え方や基礎知識が必要であり、大学で学ぶ教養教育や専門課程の授業はその基盤を作ってくれます。まず素直に学び、そして考え、大いに疑う、という姿勢を常日頃から意識することが肝要です。 

 就職活動と恋愛は似ていて、ベストを尽くしてもうまくいくとは限りません。相性もあって、相思相愛でトントン拍子に話が進むことのほうが珍しいでしょう。生きるためには働かなければならず、うまくいかなくても簡単に諦めず、粘り強く就職活動を続けなければいけません。油断さえしなければ、優秀な皆さんは必ず相応のところに就職できることを、私はこれまでの経験に基づいて請け合います。

    2020年4月

人文学部長

人文社会科学研究科長

  藤 田 伸 也

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