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三重パフォーミングアーツ発信プロジェクト(H28年度)


平成28年度 文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業
地域の舞台芸術振興のための特色あるアートマネージメント人材育成
~<生きる力>を育むためのアートカリキュラム~
プロジェクトの趣旨
社会や地域における<アート>の可能性はどのようなものか
~地域社会とアートをつなぐ人材の育成を目指して~
本学は平成26 年度から文化庁の「大学を活用した文化芸術推進事業」の採択を受け、「地域の舞台芸術振興のための特色あるアートマネージメント人材育成~<生きる力>を育むためのアートカリキュラム~」を開催しています。
平成26 年度は、〈劇場〉が〈アート〉と〈社会〉を繋ぐ媒介機能であることを踏まえて、アートマネージメントに必要な基礎的講座や実践的な制作講座を開講いたしました。平成27 年度は、「アートの社会的役割」をテーマとして、アートが社会において果たすべき役割について、「ソーシャルインクルージョン」の観点からワークショップを採り入れたレクチャー講座をはじめ、街中の寺院や病院での実演講座を展開しました。
三年目となる平成28年度は、過去二年間のプロジェクトの内容を踏まえながら、地域や社会におけるアートの可能性を自ら考え、それを実現化し、アートの魅力を発信できるような「マネージメント力」を備えた人材育成に力を入れます。 社会の中でのアートのあり方を考察する「舞台芸術の振興のためのアートマネージメント」のレクチャー講座では、基礎的概念と様々な実例から総括的な「マネージメント力」を身につけることができます。また、二つの実践講座では「アウトリーチ」や「地域性」に根ざした実用的な講座を展開します。
本プロジェクトのカリキュラムは、アートマネージメントの幅広い知識を身につけると共に、知識に裏打ちされた複眼的なものの見方、アートマネージメントに必要な独創的な発想や柔軟な思考力を養うことを目的としています。そして、アートが私たちの日常生活に彩りを与え、<生きる力>を育むためのものであることを発信できるような豊かな人材育成を目指します。
本学は平成25年に「文化芸術振興基本法」と「劇場、音楽堂の活性化に関する法律」(劇場法)の基本理念に則り、三重県との間に「実演芸術の振興等にかかる連携に関する協定」を締結しました。本事業も協定を踏まえて、三重県との協力体制の中で実施されます。
プロジェクトの概要
2016年度の本事業は、主に以下の3つの活動を行います。
- 舞台芸術振興のためのアートマネージメント講座
~アートと社会をつなぐ「マネージメント力」を鍛える~(2016年9月12日~16日) - 実践講座① 「演劇ワークショップの企画と実践~学校現場において~」(2016年10月~11月予定)
- 発展講座② シアター公演「地域の物語を創る」(2016年10月~12月予定)

1 舞台芸術振興のためのアートマネージメント人材育成講座
舞台芸術振興のためのアートマネージメント レクチャー講座
~アートと社会をつなぐ「マネージメント力」を鍛える~
アートマネージメントは、アーティストなどの芸術の創り手、それを享受する観客をはじめ、地方自治体、公共施設など多種多様な立場の人たちと関わりながら、芸術文化を振興していく行為です。それ故、アートマネージメントに従事する者には、広範な知識、独創的な発想力、そして他者との円滑なコミュニケーション力、柔軟な対応力、問題解決力などが求められます。
本講座ではアートと社会をつなぐ「マネージメント力」を鍛えるために、下記の5つのテーマでプログラムを組み立てました。
(1)「アートとマネージメント」では、実演や事業実施に必要な資金獲得をはじめ、アートの自立的経営やマーケティングなどアートマネージメントの根本概念を学びます。
(2)「アートと観客をつなぐ」では、私たちが劇場や芸術空間へ集う意味を問いながら、民間劇場と公共劇場のそれぞれの事例を中心に、現場制作者たちの実践的な話を聞きます。
(3)「アートとコミュニティをつなぐ」では、ローカルコミュニティでアートを実現することの意義や課題を考えながら、「コミュニティアート」の可能性についてワークショップも採り入れながら学びます。
(4)「アートの可能性」では、アートと社会との関わりの中で、アートの様々な可能性を具体的に考察していきます。また、その一例として、高齢者施設で実際に行っている演劇ワークショップを体験します。
(5)「アートと世界をつなぐ」では、国際フェスティバルの開催や日本のアート作品の海外進出などアーティストや作品が国境を越えていく中で、国際化のシステムをはじめ、ローカル(地域)と世界をどうつなげていくのか、そのあり方を考察します。
このような多角的な視点からアートと社会をつなぐ「マネージメント力」を総合的に学ぶことで、舞台芸術を中心としたアートの魅力を地域、さらには世界に向けて発信できるような人材育成を目指します。また、どのプログラムにおいてもディスカッションの時間を設けることで、受講者と講師が自由に議論を交わすことができる双方向の講義を行います。
- 日程:2016年9月12日(月)~16日(金)
- 会場:三重大学 人文学部校舎
詳細・お申込みはこちらから
詳 細:https://www.human.mie-u.ac.jp/news-p/28.html
お申込:https://ws.formzu.net/fgen/S24714156/
実践講座・発展講座
「舞台芸術振興のためのアートマネージメント人材育成講座」では座学を中心にした講座ですが、このレクチャー講座を踏まえて、実践的かつ発展的な講座を展開します。
2 実践講座①「演劇ワークショップの企画と実践~学校現場において~」
本講座では社会におけるアートの可能性のひとつである「アウトリーチ」に着目をして、学校現場で「演劇ワークショップ」を企画して、実践するプログラムを行います。受講生たちは「演劇ワークショップ」についての方法や目的を学んだうえで、学校現場での「演劇ワークショップ」の企画を立ち上げます。
受講生たちはワークショップの受け入れ先である学校現場を訪れ、学校側との調整を行うと共に、ワークショップ実施講師とのミーティングを重ねる中で、リスクマネージメントも視野に入れて、ワークショップの実施運営にあたります。この一連のプロセスを通して、企画力や運営力、制作力など、実際の現場で求められるマネージメント力を養うことができます。
「演劇ワークショップ」では、学校側をはじめ様々な立場の人たちと関わる必要があり、ワークショップを企画する人には、柔軟なコミュニケーション力や発想力、企画を実現するための調整力や総合的な判断力などが求められます。アートマネージャーにおいては、これらの諸能力は必須ですが、実際の教育現場の教職員や教師を目指す学生にとってもこれらの能力を身につけることがますます求められています。したがって、現職の教師や教員志望の人たちにとっても有意義なワークショップになるようなプログラムを提供します。
- 実施日:2017年1月17日(火)
- 場所:津市立高茶屋小学校
3 発展講座② シアター公演「地域の物語を創る」
発展講座では、実際の演劇公演を行うことで、受講生たちは舞台芸術の創造と公演制作、運営を学びます。「地域の物語の創造」をテーマにした本講座では、受講生たちは三重県の地域の人々の物語をオリジナルで創造していく過程をアーティストと共に企画し、その上演を担います。
舞台芸術は社会を映す鏡のようなもので、時代性や地域社会の問題の構造を浮き彫りにするアートです。そのような舞台芸術の創造現場を体験することで、アートが社会や地域でどのような力を発揮できるのか、自ら考えていけるようなアートマネージャーの育成を目的としています。
具体的には、受講生はアーティストとの交渉やチラシ作成、宣伝方法、会場の調整、当日の運営など、演劇の公演についての実際の制作実務や事業について、プロの演劇制作者から丁寧に教えてもらいながら、実践的に行います。また、地域の物語をどのように創り上げていくのか、脚本の構成や演出、出演などアーティストたちと一緒に創り手側の現場にも携わることができます。
本講座では、単なる演劇制作のノウハウを学ぶのでなく、受講生たち自らが主体的にプロジェクトに関わり、アイデアを出し合うことで、各々のマネージメント力を養いながら舞台公演の上演に挑みます。
今後、アートと社会の関わりがますます重要になり、芸術文化の振興が期待される中で、このような能力を備えた人材は、公共ホールや民間劇場の現場やNPOなどで求められていくことになるでしょう。
- 参加劇団:ユニット「さんぴん」
https://sanpin.theblog.me/pages/38071/profile/ - 演目:さんぴん+三重大学 「地域の物語」発掘プロジェクト
『NEW TEACHER ~振り返れば、街角に教授たち~』 - 日時:2016年12月8日(木) 18:40開場 19:00開演 (上演時間 約60分)
- 場所:三重大学 教養教育校舎 190番教室
- 公演詳細・ご予約はこちらから
https://www.human.mie-u.ac.jp/news-p/28-2.html
主催:三重パフォーミングアーツ発信プロジェクト事務局
共催:三重大学、三重県、三重県文化会館
TEL:059-231-9180 mail:pap-office@human.mie-u.ac.jp