人文学部
人文社会科学研究科

研究

第5回「戦国の忍びを考える -永禄五年葛西城忍び乗取作戦-」(後期)

「戦国の忍びを考える -永禄五年葛西城忍び乗取作戦-」要旨

岩田明広

 近年、史料の確認・整理が進み、戦国時代の研究が飛躍的に進展しています。社会・経済・文化・技術が急速に発展した戦国期を象徴する戦国大名軍の研究も、より進んだ議論が展開されるようになっています。しかし、その多くは本軍に対するもので、軍を構成するもう一つの要素「特殊部隊」や「別動隊」についての研究は進んでいません。戦国の戦は、本軍と特殊部隊や別動隊による戦術分担によって進められていたもので、軍の全体像を解明するには、特殊部隊や別動隊の理解は欠かせないものです。
 この動画では、戦国期の軍や戦国時代史を視野に、これまで十分に研究されてこなかった「忍び」の実態を、命令書や書簡など、当時の生の史料から考えます。先ずは「忍」の語と概念を整理し、生の史料から戦国期の「忍び」を定義します。その後、上杉謙信の関東侵攻の影響下に行われた、小田原北条氏の軍による葛西城(現東京都)の乗取りに関する史料群から、軍の戦術としての「忍び」の在り方と、その任務についた「忍び」たちの活躍の状況を明らかにします。戦国の忍びの実態から、戦国大名軍や当時の社会に思いをはせていただければ幸いです。

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動画

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