人文学部
人文社会科学研究科

研究

第4回「鳥取藩御忍の基礎的研究」(前期)

「鳥取藩御忍の基礎的研究」要旨

 本講座では、鳥取藩の忍び、すなわち「御忍」の成立と展開について、「鳥取藩政資料」を中心に紹介した。

 鳥取藩の御忍は、下級身分でありながら、藩主への拝謁を特別に許された、御目見以上の身分であった。このように、御忍が藩中において厚遇を受けたのは、彼らが家業家と呼ばれる、いわば専門職を兼ねる家柄を有していたからである。

 明暦2年(1656)、山鹿素行の記した軍学書『武教全書』の解説書である「武教全書改」には、医者・忍者・大工細工などを、君側に位置づける記述がある。これらの職掌は、鳥取藩における家業家の面々と酷似している。  したがって、御忍もこれと同様に、君側に仕える存在であったと考えられる。これを裏付けるように、「鳥取藩政資料」には、御忍が「御内御用」、すなわち藩主の身のまわりから生じた「奥」御用を、勤めた記述が残されている。

 そして、本講座では、以上の研究結果を報告するに留まらず、➀研究者が、日頃から史料をどう分析し、研究とどのように向き合っているのか・➁そもそも研究とは何かということを、史料を示しながら、できる限り具体的に紹介した。

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