研究
第4回「武鑑と忍者」(後期)
「武鑑と忍者」要旨
高尾善希
今回の講座では、2025年度大河ドラマ「べらぼう」に関連させて、徳川時代の出版物である「武鑑」に、忍者(伊賀者など)が、どのように登場するのかを紹介した。
まず、徳川時代の出版文化を概説しながら、時々刻々移り変わる情報を提供することが中心の情報系出版物に注目して、その存在意義について、解説した。「武鑑」はそのひとつで、いまでいう「紳士録」にあたる。大名全体を紹介したもの、徳川幕府の役人たち全体を記録したものが重宝されて、出版物として販売されていた。最終的には須原屋・出雲寺という2軒が発行を許されて、毎年出版されるものであった。形態(大きさ・利用目的)も多様で、リアルタイムの政治的ニーズにあわせる出版物のひとつであった。
もちろん、「紳士録」であるから、その記載の主役は、大名や上層クラスの役人たちである。しかし、すこしだけ、身分の低い忍者たちの記述もみえる。徳川幕府の出版文化の中で、「武鑑」がどのように位置づけられるのか、幕府の組織の中で、忍者がどのように勤務していたのかを紹介した。
