研究
第2回「『天地人々ワレ一体』のからだ」(前期)
「『天地人々ワレ一体』のからだ」要旨
関口 遵
本講座では、1960年代に創始された天真体道(旧新体道)の中核思想「天地人々ワレ一体」という身心観を、忍者的身心を参照軸として紹介・探求した。天真体道は、古代では戦いのためであった武道の技を現代人に必要な心身開発の手法として変容させた統合的な身体技法として発展してきた。当日は、忍者が目指す「力まない・ぶつかり合わない・動じない」という身心観に照応させながら、天真体道の大基本「天真五相」「栄光」「瞑想組手(ワカメ体操)」を実践指導するワークショップ形式を採用した。型や組手にまつわる創始者・青木宏之師の語録に加え、各型の創造過程、および稽古者かつ研究者である講演者自身のフィールドワークの知見を交えながら論じた。後半では、近現代スポーツの身体論との対比から、講演者自身が体験した競技スポーツ的身体(閉じられた身体)からの脱学習や、天真体道のもつ多文化共生・地球倫理へと開かれた身体実践の可能性を提示した。さらには、青木師の象徴的な技である『遠当て』などを受けた講演者自身の内的体験を紹介し、身体実践を通した霊性を含む知性の探求への問いを提起した。
