研究
第3回「日本の古典的技芸における「忍ぶ」身体」(前期)
「日本の古典的技芸における『忍ぶ』」身体」要旨
弘田陽介
この講演では、日本の古典的技芸に共通する「忍ぶ」身体について考察しました。現代の運動機能的な身体観に対し、自己や他者を察する「忍ぶ(隠すもしくは消す)」という感覚が失われているという前提からこの考察は始まっています。日本の古典的技芸の典型として、能楽を例に挙げ、面や型で表現を抑制することで生まれる「内観性」が、観客に感動を伝える術理であることを解説しています。西洋バレエのような外延的な動きとは対照的に、あえて演者の心を秘めることで生まれる「忍ぶ」身体の力について論じ、最終的に、これらを伝える伝統的な「型の学び」を通じて、現代とは異なる次元の身体感覚を継承する意義を説いています。
