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教育

公務員を目指す皆さんへ :Iさん(男子)【国立大学法人事務職】

公務員を目指す皆さんへ

Iさん(男子)【国立大学法人事務職】

3年生の皆さん、こんにちは。夏休みも終わり、いよいよこれから始まる就職活動に向けて意識を高め始めている頃かと思います。就職活動は大きく一 般企業と公務員とに分けることができます。公務員試験の経験者として、私の体験と感想を紹介し、これから公務員の道を歩もうとしている皆さんにとって少し でも参考になればと思います。
私が公務員を目指そうと決めたのには2つの理由があります。まず1つは、やはり収入や社会的地位において「安定」 しているからです。現代社会においてはいつ何時不況の波に呑まれるか分かりません。場合によってはリストラされて路頭に迷うなんてことにもなりかねませ ん。何をするにしても心身ともに健康であるのが最低かつ最大の条件であるように、生きていくにはまず生活基盤を安定させたいという考えが強くありました。
そしてもう1つは、仕事とプライベートを両立したライフスタイルを選びたいと考えていたからです。例えば、完全週休二日制。公務員においてはほぼ確実に達 成されていますが、企業においては達成されているのは一部の大企業のみで、中小企業は休日返上で働かざるを得ないというのが現実ではないでしょうか。ま た、残業の面も同様です。私も将来的には家庭を築くことになると思いますが、経営利益や売上げ目標のために家庭を顧みず、せかせかと働くというような生き 方はしたくありませんでした。それらの点を考えると、一般企業より公務員の方が比較的プライベートな時間を作りやすいと思いました。
公務員と一般企業どちらを選ぶかは、自分が将来どういう生き方をしたいのか次第だと思います。私は、仕事を命にして他人を蹴落としてでも成功して成り上がる生き方より、平凡であっても家庭や自分の趣味の時間を大切にする生き方を選びました。

さて、公務員を目指すにあたって、当然のことながら公務員試験を乗り越えなければならないわけですが、立ちはだかる最大の敵は自分自身です。一般企業が「雇用者やライバルとの闘い」なら、公務員試験は紛れもなく「自分との闘い」です。
周知の通り、公務員試験は教養試験と専門試験からなっており、数的処理、文章理解等をはじめとして、センター試験よりもはるかに広大な範囲から出題されま す。全ての範囲をバランスよく勉強しなければならず、数的処理が苦手な私はかなり苦戦を強いられました。計画的な学習が肝要です。
また、試験ま での期間が長いのも特徴の一つです。一次試験が始まるのは早くても5月下旬からで、最終合格が決まるのは秋頃になります。一般企業の就職活動をしている人 達が4月、5月になると次々と内定が出始めて喜ぶ中、公務員を目指す人はひたすら我慢です。周囲のお祭りムードに流されそうになりますが、堅い意志で耐え 凌いで下さい。
さらに、私もそうだったように、一人暮らしの人は実家暮らしの人に比べるとハンデを負うことを覚悟して下さい。一人暮らしの場 合、勉強に集中したくても炊事、洗濯、掃除など他にやらねばならぬことが多くあります。特に本番直前の体調管理には十分注意が必要です。また、勉強で行き 詰って辛いとき、悩みを相談できる家族が側にいるのといないでは精神面の支えで大きく違います。私もそれらのハンデに大いに悩まされましたが、共に公務員 を目指す部活の先輩と情報交換をしたり、部活に参加して気分をリフレッシュさせたりして乗り越えました。

ところで、一般企業と公務員を 併願しようと考えている人もいるのではないかと思います。私は初めから公務員一本だったので実体験を語ることはできないのですが、併願していた周りの人の 様子を見ていた感想としては、かなり大変そうです。説明会や企業研究、エントリーシートの作成等に時間と労力を割かれ、結局はどっちつかずの状態になって しまうケースも見てきました。たとえ両方内定をもらえたとしても、最終的にはどちらか一つしか選べないのだから、早めに決断してそちらに専念した方がいい でしょう。

さて、少し先の話になりますが、一次試験合格後の話をしましょう。一次の筆記試験を通過すると、二次試験はほとんどの場合が 面接試験です。企業にしても公務員にしても、人材採用に際して、面接重視の傾向は年々高まっているようです。筆記試験は面接試験に進むためのいわば「足き り場」です。そこを通過してこそ、本当の勝負が始まります。面接は採用担当者と直に顔を合わせての勝負なので、積極的に自分をアピールしましょう。普段、 よく話す人でもいざ面接となると独特の雰囲気に呑まれてなかなか言葉が出てこなくなるということがあります。面接にはやはりそれ相応の練習が必要です。生 協さんの方でも面接対策講座を設けて下さっていますし、身近なところでは津駅前のアスト津の中にある「おしごと広場みえ」で無料で面接練習をして下さるの で、是非積極的に参加されることをお勧めします。

今年の夏の甲子園で優勝した佐賀北高校の優勝投手・久保君がこんなことを言っていまし た。「努力しても結果は出ないかもしれない。でも、努力しなければ結果は出ない。」私は何の変哲もないこの言葉に大きな感動を覚えました。公務員試験でも 全く同じことが言えます。繰り返しますが、公務員試験は「自分との闘い」です。どんなに苦しくても誰も助けてはくれません。最後に頼れるのは自分自身と、 精一杯努力してきたという自信だけです。自分は絶対に「公務員になるんだ」という強い意志を胸に、自分の可能性を信じてこれから迎える試練を乗り越えて下 さい。健闘を祈ります。

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