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三重大学人文学部・人文社会科学研究科に関するお知らせを掲載しています。

【桑名市ふるさと納税プロジェクト】経営学総論ゼミナールが企業訪問しました

2022年8月10日(水)・17日(水)・31日(水)、桑名市ふるさと納税プロジェクトの調査として、経営学総論ゼミナールがふるさと納税協力事業者6社を訪問しました。

(本プロジェクトを包含する協定の詳細はこちら)三重大学 | 桑名市・桑名市総合医療センターとの新しい未来の共創に関する協定を締結しました (mie-u.ac.jp)

5月18日に桑名市役所ブランド推進課様・政策創造課様からの説明を受けて以後、各ゼミで検討課題の整理に動いております。今回はその一環として、協力事業者である乗馬クラブ クレイン東海様・株式会社総本家新之助貝新様・たがねや様・有限会社伊藤鉉鋳工所様・株式会社保田商店様・株式会社未来食品(八十八屋)様にお話を伺いました。

(5/18キックオフミーティングの様子はこちら) 三重大学 人文学部・人文社会科学研究科 | 桑名市ふるさと納税プロジェクトが始動しました (mie-u.ac.jp)

乗馬クラブ クレイン東海様は、全国展開している株式会社乗馬クラブ クレインの一グループという位置付けで、ふるさと納税に参加しているのはグループ内で大阪とこの東海だけであり、グループ内でも独自の動きを見せているといえます。日本における乗馬人口は農林水産省生産局畜産部畜産振興課編纂の「馬関係資料」(令和2年4月)でも「平成22年70,988人」「平成23年以降はデータなし」という状況であり、例えば600万人程度で推移しているゴルフ人口と比べても決してメジャーとは言い難いレジャーであることが窺えます。しかしそこに近年、競走馬を擬人化した育成シミュレーションゲーム及びアニメが人気を博したことも起因し、若い世代でも馬に興味を持ち、ふるさと納税をきっかけに乗馬を始める例も見られるそうです。人間のレジャーとして、また引退した競走馬の第二の活躍の場として乗馬クラブの今後の展開が注目されます。

総本家新之助貝新様は会社設立としては昭和27年ですが、創業は慶長年間(西暦1600年頃)の老舗で、しぐれ蛤や高級佃煮等食品製造販売を営む企業です。名物である蛤が気候変動や密猟で生産量が減っているのも産地として一つ課題ですが、それとは別に若年層における消費をどう取り込むかも業界として課題です。その中で、和食でありながらパスタのような洋食にも馴染む明太子からヒントを探るお話が印象的でした。今後の新商品やメニューの開発に期待がかかります。

たがねや様は明治5年に開業した米菓のお店で、「昔、桑名城下において、もち米とうるち米をまぜついた切り餅に時雨の溜りをつけ往来の旅人に売られたのが始まり。いつの頃からか切り餅は煎餅になった」そうで、地元の原材料を大事にしている他、コロナ禍の手土産需要減の痛手はありながらも地元愛と顧客を大事にする姿勢が窺えました。

伊藤鉉鋳工所様は先日産業経済論ゼミナールも訪れましたが、今回は経営学の視点からのお話をはじめ産地や地域の課題など多岐にわたって議論を交わして頂き、学生も新たな視座を得た様子でした。

保田商店様は元々木材商として始まり、現在は食材卸が本業でありながら、その中で扱う「桑名もち小麦」を自ら経営に乗り出したカフェで使ったり、小麦生産者やパン屋と連携したり、いわゆる「農商工連携」や「六次産業化」に近い展開までしているのは、流通業としては異色といえます。それらに留まらず小麦のふすまを地元畜産業者との間で資源循環を試みたり、カフェを民泊としても活用したり、今後も展開が注目されます。

株式会社未来食品様は米穀店の八十八屋を運営しており、桑名発祥であるこめ油も取り扱います。かつて米販売は免許制の時代がありましたが、現在は自由化が進んでスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも扱えるようになり、全国の米穀店は決して楽観視は出来ない状況に立たされています。高齢社会に重量のあるお米は配達のニーズが高まるかと思いきや、同店では来店客が皆楽しそうに買い物をする様子から、店舗の魅力づくりに力を入れていることが窺えました。昨今オリーブや胡麻、アマニ等多様な食用油が流通する中で、国産かつ食味や健康効果に特長を持つこめ油をどう展開していくか、期待されます。

乗馬クラブ クレイン東海様、総本家新之助貝新様、たがねや様、伊藤鉉鋳工所様、保田商店様、八十八屋様、お忙しい中ご協力いただき有難うございました。

当ゼミでは今後、ふるさと納税に参画されない企業様からもお話を伺うことで課題を明らかにしていく予定です。

以上

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